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2011/07/14 Thu  08:03
漫画持ち込み体験談2

~S社編後篇~

「いやぁ、どうもお待たせ致しました。」

担当者のMが笑顔で現れた。
私と影須はサッと席から立ち上がり「宜しくお願いします」と深々と頭を下げた。

「それでは早速原稿を拝見しましょうか・・・私が読んでいる間にこちらをご記入下さい。」

Mはそう言って私達の漫画を受け取り、それと引き換えにアンケート用紙を渡した。
アンケート用紙は名前や、住所、後は好きな漫画や、作家さんなどを各欄があった。
私は影須にそのアンケートを押し付け、漫画を読むMを凝視していた。

Mは何度か後ろのページに戻ったりしていた。
(む、わかりにくかったかな?)
ふんふん、と頷きながら納得したようにさらにページを進める。
俺はほっと胸をなでおろした。
同じような場面を何回かむかえながらもMは丁寧に最後まで読んでくれた。
読み終えましたというアピールのつもりなのだろうか、Mは机に原稿をトントンとオーバーアクション気味にぶつけた。

一息分ほどの静寂があり、私にはそれがとても長く感じた。
私は生唾を飲み込み、Mの一言目を待った。

「よかったと思います。」
「楽しく読めました。」

隣の影須も私も、冗談や比喩などではなく、本当に口から「ほっ」と言葉が出た。
Mはさらに続けた。

「・・ところで持ち込みは初めてのお2人ですけど、これは何作目ですか?」

「初めての作品です。」

「え?初めて?」

「はい、影須はペンを握り始めてまだ半年ほどです。」

「驚いたな。志冥さんもそのくらいなの?」

「えぇ、私も漫画の原作は初めてです。」

「そっかそっか、それはすごいですね。初めてでここまで描けてる人は滅多にいませんよ。」

あまりにべた褒めするものだから、俺と影須の顔は情けなくにやけていたに違いない。
Mは笑顔を保ちながらもぼそりと言った。

「でも、もちろんダメなところもあります。」
(ここからはストーリーに関係するダメ出し部分だけを抜粋しますので、通常の会話の流れとは若干異なります。)

(きた!)

俺と影須は一点、緊張の面持ちに戻った。

「原作の志冥さん、王道のバトルもので、ニヒルな友人がいて、可愛いヒロインがいて、とベタな設定。」
「設定自体も超能力学園モノという、最近で言えば「とある」と似た様な設定ですよね。」
「一つでいいのでオリジナリティーのあるモノがほしかったですね。」

Mはオリジナリティーはこうやったら出るんじゃないかと例を出しながら丁寧に説明してくれた。

「後は主人公のキャラが弱いです。」
「強さがいまいち伝わって来ない、悲しい過去があるけどもっと掘り下げてほしかった。」
「他のキャラに裂いたページをもっと主人公に裂いてもいい。」

「と・・こんなものでしょうか。」
「しかし全体的によくできています。」
「志冥さんの原作をもっともっと読んでみたくなりました。」
「他に描いて来たネームとかありますか?」
「ないのであれば、今こんな話を考えているっていうのはありますか?」

「それでは、今日はありがとうございます。」
「あっ・・・原稿をお預かりしてもよろしいですか?」
「ぜひ上にも見せたいですし、月励賞にも出したいですし。」

「あ・・・すいません、これから一応K社にも持っていこうと思っていますので・・・本当にごめんなさい。」

すでにK社に約束を取り付けていた私達はありがたい申し出だったが断るしかなかった。
地方に住む私達は初回の持ち込みなので、より多くの編集さんに見てもらい気持ちが強かったからだ。
さすがにMも少し顔を強張らせたが、

「そうだよね、初めてだものね、気にしないで下さい。」
「K社に持っていくなら、S館もすぐそこだし飛び込みで行ってみたらどう?」

「それでは今日はお疲れ様でした、もしうちでやってみたいと思ったらまたお待ちしていますので。」

私と影須は胸を張ってS社を出た。
S社を出て、横断歩道を渡りながら私と影須は浮かれ合った。
ぼろくそに言われる事を覚悟して乗り込んだが、まさかのベタ褒めだったのだ。
調子にのった私と影須はMの言った通りS社を出た足で、そのままS館へと飛び込んだ。



~S社編後篇 完~

~S館編へ続く~
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